FX外国為替取引投資の基礎知識と始め方!

FXで政策金利が為替市場に影響しない時


金利差が通貨の需給に影響するのがふつうだが...
中央銀行が金融機関に貸し付ける際に指標とする金利を変更すると、為替市場は敏感に反応します。為替レートがどのように動くのか、前項のサブプライム問題を例に詳しく見ていきましょう。

アメリカのFRBは、サブプライム問題による景気減速を懸念してFFレートを引き下げましたが、それ以前は4.5%でした。低金利政策をとる日本のコール金利が0.5%なので、その金利差は4%。この金利差がさらに拡大すると想定します。投資家は高い金利に集まるので、円をドルに替えてドルの外貨預金やドル建てのMMFの取引が増えるでしょう。また、スワップポイントを狙ってレバレッジの効くFX投資も活発になるはずです。為替レートが一定の範囲内で推移していれば、金利差が大きな収益を生むからです。多くの投資家が同じように考えれば、為替市場では円売り・ドル買いという需給になって表れます。

しかし、現実は逆でした。 FF金利は下げられて金利差が縮小したので、投資家は魅力のなくなったドルを円に転換しようとしたのです。このため、今までの円売り・ドル買いの動きは反転し、需給が崩れて為替レートは円高ドル安に動きました。

こうして見ると、金利差はとてもわかりやすい投資判断の基準のように思えます。ところが、為替市場が金利の引き上げや引き下げを早くから予想して、為替レートにそのことを織り込んでいる場合があります。すると、金利変更の材料が出尽くし感となり、為替レートが短期的に逆に動くこともあるのです。為替相場は、その時々の材料や思惑もからんで金利だけでも決まりません。