FX外国為替取引投資の基礎知識と始め方!

FXの為替相場に影響を与える国際収支


経常収支が赤字の通貨は弱い
慢性的に経常収支が赤字である国の通貨は、基本的に弱い動きをすると考えて間違いありません。東南アジアの多くの国々では、主要な加工産業が成長しておらず、輸出の主力は1次産品と呼ばれる鉱物資源や農産物がほとんどです。特に農産物は天候に左右されやすいため天候不順で不作が予想されると、貿易収支の赤字や税収不足による財政収支の悪化が懸念されて為替は弱くなります。

ドルは国際収支に影響されにくい
アメリカの場合は、事情が違うようです。先に述べたように、アメリカは常に財政赤字と貿易赤字、いわゆる「双子の赤字」に悩まされ続けてきました。それならドルはいつも弱い動きを示していそうな気がしますが、実際は必ずしもそうではありません。その理由についてある経済学者は、アメリカは貿易収支こそ赤字だが、資本収支は黒字を維持しているからだといいます。また、別の専門家にいわせれば、ドルは基軸通貨としての役割を果たしているから、弱い動きにはなりにくいそうです。

しかしアメリカのように高いレベルの技術力に支えられた産業基盤をもつ国では、国際収支の結果が為替相場の需給に直接的な影響を与えないです。そもそも、国際収支はその国の企業の競争力や資本の厚みを示していて、その収支は金利や物価、経済成長力にまず直接の影響を及ぼし、それらを介して為替需給に影響をもたらすはずです。アメリカの貿易収支の統計発表に一喜一憂することは
なく、あくまでも投資するうえでの判断材料の1つくらいに思っているのがよいでしょう。