FX外国為替取引投資の基礎知識と始め方!

FXのアセットアプローチと為替心理説


資本取引が相場を決めるアセットアプローチ
水が高い所から低い所へと流れるのとは逆に、お金は低金利の所から高金利の所へと流れる傾向があります。アメリカ国債の金利が日本国債の金利よりも高くて儲かると期待されたら、投資資金は日本からアメリカヘ流れます。同じように、アメリカの株式投資のほうが日本より儲かりそうなら、日本からアメリカヘ資本は移動します。このとき、投資家は日本の金融資産を売ってアメリカの金融資産を買うことになるので、為替レートは円安ドル高方向に動きます。

このように資本取引が為替レートの変動要因になるという考え方が、アセットアプローチです。資本取引の自由化が進んだ現在では、資本取引によるお金の動きがドルや円の需要・供給に大きな影響を
与えます。アセットアプローチは、比較的短期間の為替変動を説明するのに適しています。

市場参加者の心理状況が決める為替心理説
市場参加者の予測が為替レートを決めるという理論が為替心理説です。ドル高を予想してドルを買う人が多ければ円安ドル高になり、ドル安を予想する人が多ければドルが売られ円高ドル安になりま
す。この市場心理説は、為替相場独特のものではなく、株式市場や債券市場など商品が売買されるマーケットなら共通して見られます。

為替レートの予想要因は、国際収支や金利水準、金融政策などさまざまです。予想要因がそれぞれの投資家にどのような心理状態をもたらしたのかを判定できないのが為替心理説の弱点ですが、市場参加者の予想に基づいた売買行動が為替相場を動かしているのは確かです。この理論は、特に短期の為替変動に説得力があります。