FX外国為替取引投資の基礎知識と始め方!

FXの通貨スイスフラン


リスク回避通貨として特異な性質
永世中立国であるスイス連邦の通貨はスイスフランです。スイスフランの大きな特徴として、戦争やテロなどの有事に強いという点があげられます。つまり、他国で戦争が起きたとしても、独立と領土の保全を守る永世中立国という立場を明確にしているスイスは、戦争に巻き込まれる危険性が小さいことから、資金の逃避先として注目されているのです。

以前は、「有事のドル買い」といわれていましたが、2001年のアメリカ同時多発テロではアメリカ自身がテロのターゲットになってしまいました。このような経緯から、2003年のイラク戦争や2006年の北朝鮮によるミサイル発射などでは、有事の際の避難通貨としてスイスフランの特性が顕著になり、今では「有事のスイス買い」とまでいわれています。

スイスは永世中立国であることからEUには加盟していませんが、総輸出の60%、総輸入の80%が対EU諸国です。したがって、経済的にはEUと密接に結びついているため、スイスフランの値動きは
ユーロの協働きと連動する傾向があります。

スイスフランの金利はほかの通貨と比較して低水準であるため、豪ドルなどの高金利通貨のようにスワップポイントを狙う投資家は少ないようです。また、有事発生の際にスィスフラン相場は上昇しますが、時間の経過とともに国際情勢が落ち着いて発生したリスクが軽減していくと、投資家が資金を回収して相場が下がるという動きになります。したがって、どちらかというと短期的な投資の対象になりやすいといえるでしょう。